クリのご縁

〝おきさんぽ〟の続きに出かけました

〝中秋の名月〟を拝むことのできた

絶景ポイントからのスタートです

 

そこは玉島乙島の〝船堀(ふなぼり)〟

と呼ばれている地域

かつて海だった江戸のむかしは

船溜まりだったそうです

高台から見渡すと、なるほど

〝ワンド〟の地形がよくわかりました

(〝ワンド〟は漢字では「湾処」と書くそうです)

 

私の大好物の〝まにこみち〟を選んで

あてもなく歩くこと1時間半

誰にも会えなかったので

『これでは物語は進まない』

なんてつぶやきながら歩いていると

丘の上の畑で

クリを拾われているご婦人が

いらっしゃいました

 

〝まにみち〟をはじめたころから

大好きで大切にしている

〝ヒトニ アッタラ ハナシテミヨウ〟

という

絵本作家、東君平さんの著書

『紅茶の時間』のアトガキに記された

この言葉が舞い降り

声をかけさせていただきました

 

「秋ならではの、

火ばさみでクリを拾われている映像を

お手元だけでもぜひ撮らせて

くださいませんか?」

するとそのご婦人は、遠慮がちながら

ニコっと微笑み

快くご協力くださいました

 

〝まにみち〟をお支えいただいているのは

地域の方とのふれあいと

実感する瞬間です

 

お話を伺うと、○○年前に、

とある都会から

乙島のこの地の高台が気に入り

丘ごと購入されて

移住されたとのことでした

 

先日、9月29日の〝中秋の名月〟は

月の出から月の入りまで

ご自宅から眺められたことを

とても弾んだ声で教えてくださいました

 

ただ、そんな素敵な場所も生活するには

『道が細く車が入ってこられないことが

とっても残念』と

話してくださいました

旅人にとっては魅力的な風情ある素敵なみちも

そこで日々暮らす方にとっては

切実な問題があることを

感じました

 

乙島の細道は

坂道もふくめ、どこか

日本遺産、尾道に通じるものがあると

密かに思っています

 

尾道は、映画のロケ地や

珍しい船も停泊するなど

観光地としてよく知られていますが、

観光客のためだけではなく

地域に暮らす方や、その地域で

暮らしていく方たちにとって

『坂も、細道も多くて大変なこともあるけど

このまちステキ』

と地域の方が誇れるような

〝まちづくり〟を考える時に

来ている気がしました

 

〝地域を誇りに思える〟

そんなお宝をみなさんに広く知らせていくこと

それが〝まにみち〟にできる

お手伝いのひとつと

強く

信じています

 

2023年10月02日|まにみち:manimichi