結網山からの玉島

今年の春に、土佐ノ国・高知の土を踏んで以来

やっと再訪が叶いました

長い間、心の奥底でうずうずしていたことが

晴れたような達成感に

満ちています

 

令和5年5月と6月放送の〝まにみち〟で

第194回から第196回の

3回にわたってお届けいたしました

〝高知県立牧野植物園〟

 

春4月...広い園内を

牧野富太郎先生が歩かれたような

〝植物探索〟の気分で

わくわくしながらゆったりと歩いていたら

あっというまに閉園時刻となりました

 

その時に、ただひとつだけ

訪ねられなかった場所が

南園の奥にある

〝結網山(けつもうざん)〟

と名付けられた

小高い丘です

 

〝結網〟または〝結網子(けつもうし)〟は

牧野富太郎先生が

二十歳のころから生涯用いた〝号〟です

(号:学者や画家などが本名とは別に設けた名前)

 

〝結網〟とは、故郷・高知県佐川の

寺子屋で学んだ中国の歴史書〝漢書〟の言葉

「淵(ふち)に臨(のぞ)んで

魚を羨(うらや)まんよりは、

退(しりぞ)いて

網(あみ)を結(むす)ぶに如(し)かず」

(物事にのぞんで、手をこまねいているより

手段を見つけて、まず実行することの意)

に由来するそうです

 

緻密な備えは〝植物図〟に描き置き

日本全国への幅広い〝植物採集〟を実行し

植物分類学の道を貫かれた

牧野富太郎先生の〝生きざま〟をも

表しているようで

〝結網〟という号のその意味を知ることで

いっそう、心がふるえました

 

春のあの日から、季節は巡って晩秋

念願叶って訪れた

〝結網山(けつもうざん)〟の少年広場では

牧野先生、二十歳ごろの面影を刻んだ

「牧野富太郎博士少年像」が

出迎えてくれました

 

てのひらを太陽に透かして

未来への希望をたたえているかのような姿に

これからの〝みち〟を進む

勇気をいただきました

 

その像から20段ほどの石段を登ったところが

〝結網山(けつもうざん)〟の頂上です

 

生前、牧野先生が特に好んだ、ゆかりの植物が

なだらかな山の頂に集って

先生の魂をなぐさめるように

元気に育っていました

 

山頂から南をのぞむと

キラキラと水面が輝いていました

高知平野を流れて太平洋へと注がれる

〝鏡川〟の河口が夕日に照らされていて

そこに

水面に浮かんでいるような

丸い〝玉のような島〟が見えました

 

調べてみると

その島の名前が文字通りの〝玉島〟!

牧野富太郎先生ゆかりの土佐ノ国・高知で出会えた

わがまち〝玉島〟と同じ名前の島!

これ以上のご縁がありましょうか

 

どんな島なのかは、まだわかりませんが

高知というところは

まだまだ知らない、知られていない魅力に

あふれていそうです

2023年11月21日|まにみち:manimichi